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2007年6月15日 (金)

ラオーニ

ラオーニと会って、寝込んでしまいました!
ラオーニはブラジル・アマゾン・カヤポ族の長老です。
6月2日(土)、熱帯森林保護団体(南 研子代表)の会員でもあり、百名限定の交流会に参加させていただきました。東京港区の白金台の正満寺というお寺で、20畳ほどの畳の上に座って、ラオーニのお話しを聞きました。
長老ラオーニは下くちびるに、大きな木のお皿をはめこんでいます。頭には長い羽飾りの冠をつけ、体は丸太のように大きく太く、高齢とはいえ背筋はまっすぐ伸びて、偉大なる酋長の力強さです!

ラオーニは、石油代替燃料のさとうきび栽培などで、今まで以上に熱帯雨林の森が危機にさらされて、日本に助けを求めて来られました。動物や植物や土地の精霊とコンタクトする90歳位の偉大な呪術師ですが、富める国の理解がなければ部族も森も生き物たちも皆滅びてしまうため、老齢にかかわらず命をかけて来られました。アルミ缶、スチール缶、大豆、肉、鉱物、マホガニー(高級家具)、日本で山のように消費されゴミになるこれらは、多くブラジルの熱帯雨林を焼き払って、日本の資金で作られ消費されているそうです。
森を削ることは世界中の人々の健康をじわりじわりと 蝕んでいきますから、もちろん他人事ではないのですが、なかなか対岸の火事です。「日本の森が削られて土地を奪われ、多くの人が飢えや病気や自殺、身売り、過酷労働をしなければ生きていけない」というのだったら、おそらく昔なら百姓一揆。わたしたちは甘い汁を吸っている立場なので、打ちこわしを受ける豪商でしょうか。滅びゆく他部族を長い年月見続け、ブラジル社会と交渉し闘う若いカヤポ族リーダーたちも交通事故で失った長老ラオーニが、今こうして日本に足を運んで、何かを訴えている・・・。
この遠い地、日本に来ただけでも実はスゴイ事です。
ブラジルから日本に着いてからの移動は安全で早そうですが、地球の裏側ブラジルでは、殺し屋も普通に暗躍するという地らしく、またジャングルからブラジルの都市に出るまでも、ワニやヘビが居る密林は当たり前ですが、その中に吸い込まれると行方不明になるという霧のたちこめた地帯があったり、また道にでて車にのったとしても、例えば腰痛などあれば揺れるたびに激痛が走る旅路、健康な若い人でも堪える道のりです。現代のタイムスリップです!

ところが、ところが、最も心魅かれるアマゾンのことでさえも、
すぐに日々の雑事で忘れてしまうでしょう。ですが、ラオーニのことを完全に忘れてしまっても、地球のいのちは どこまでもつながっていることを 心の奥深くに焼き付けておこうと思って帰ってきました。地産地消に身土不二、一物全体、いい言葉に支えられて「選ぶ」ということを批判からではなく楽しみから出来るようになるといいなッ♪
数日間、体調を崩して身体が思うように動きませんでした。ラオーニと握手したのが強烈だったようです。 反対にべー助は、握手して調子の悪かった腰が良くなったと言っています。ずっと前からラオーニに会ったら、良くなるような気がしていましたが、油断はなりません、心身霊ともに、ゆったりと暮らしていく生活は何よりも今の自分たちに必要のようです。ようやく自然破壊の火の粉を感じるようになったとき、今までと違うものが見えてきたり、時代とともに変化する価値観に翻弄されたり、・・・・・人間の魂の歴史の濃さを思うと、ただただ気が遠くなるばかりです。目の前に広がる風景に圧倒的な存在感を感じて、何もモノが考えられないくらいです。ラオーニは、そんな生きている「人間の存在感」そのものです。
ラオーニのお話し
「日本の精霊たちが言っています。
この場所この土地に住む精霊たちが言っています。
ここに住む人々に伝えて下さいとわたしのまわりに集まってきます。
森をのこし、川を残してくださいと。
わたしたちは子供、子孫たちに古い物語を・・・自分たちの物語を、
大自然とともに生きる知恵をつたえます・・・・」
今夏7月14日~9月17日まで、岡本太郎美術館(神奈川県川崎市)にて「アマゾン・インディオ文化展」が開かれます。
参考文献、「アマゾン・インディオからの伝言」(ほんの木)

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