「ちらかしベーダー」
お友達の のとゆきこさん作のおはなしです。
ちょうど、
自分の子供と重なる出来事があったすぐ後に、
いただいたお話でした!
このお話を読んでから、
ガラクタが宝物に見えてしまうようになりました^^。
ご紹介させていただきますね。
『ちらかしベーダー』
作・山野みの虫
ある日、お母さんが、たまりかねて、おこりました。
「もう、いいかげん、かたづけなさい!
つくえの上もかばんの中もゴチャゴチャで。」
お母さんが、こんなにおこっているのに、ゆきみときたら、ぼおっとしてます。
「だって、かたづけようとすればするほど、ちらかっちゃうんだもん。」
「いらないものが多すぎるのよ。おもいきって、すてるのよ。」
お母さんは、また、どなります。
ゆきみは、あわてて、言います。
「みんな大切なものなの。すてちゃダメ。」
「まったくもう。あなたのおけげで、家中ゴミだらけよ。
この、ちらかしベーダー!」
お母さんは、あきれて言いました。
「ちらかしベーダーって、なあに?」
ゆきみは、ぼおっと聞き返しました。
「え?あら、そんなこと言ったかしら。
つい口から出ちゃったんだけど、そうねぇ、ちらかし星に住む宇宙人かな。
ひょっとして、ゆきみの心の中にすんでいるんじゃない?」
お母さんは、ふざけて、そう答えると、あきれて行ってしまいました。
お母さんに、こう注意されて、
ゆきみは、あらためて自分の部屋をながめました。
(うーん、やっぱり整理しなくちゃな。)
そして、ゆっくり、かたづけはじめました。
(これは去年の夏休みの思い出の石。
これはみどりちゃんからのプレゼントのカード。
これは私の発明したおもちゃ。
これはいま考え中の発明品。
これはあれに使えそうだし・・)
かたづけているはずなのに、ゆきみの机のまわりは、
ますますちらかっているようです。
(ふう、なんだか、ねむくなっちゃった。)
ゆきみは、ちょっとつかれて、そのまま、ねむりこんでしまいました。
ゆきみは、夢をみました。
うすぐらいトンネルを歩いています。
まわりのカベは、なんだかわけのわからないガラクタの山でした。
(ここは、どこだろう。)
ゆきみは、キョロキョロしました。
どうやら、道に迷ってしまったようです。
そのとき、何か光るものが、目の前にとびこんできました。
「こんにちは」
その光るものから、声がしました。
よく見ると、それは、頭に2コの光る玉をつけた、ふしぎな生き物でした。
「こんにちは。あなたは、だれ?」
ゆきみは、ふしぎな生き物を見て言いました。
「ボクは、ちらかしベーダー。キミの心にすむ宇宙人さ。
ここは、キミの心の中だよ。いま、ボク、とってもすてきなものを
育てているんだよ。それをキミに見せたくて、キミをよんだんだ。
ねえ、ボクについておいでよ。」
ゆきみは、ちらかしベーダーのあとについて、うすぐらいガラクタ山のトンネルの中を歩いていきました。
ずいぶん奥まできたようです。ゆきみは、ちょっと歩きつかれてきました。
「もうすぐだよ。」
ちらかしベーダーは、いいました。そのとき、遠くの方に、赤く光るものが見えました。
「ほら、あそこだよ。」
ちらかしベーダーは、ゆびさしました。赤い光は、とても小さなものでしたが、近づくにつれ、ますますキラキラと、あざやかにかがやきました。
「ほら、これだよ」
ゆきみの足もとに、キラキラ光る、小さな花がありました。それは、へんなかたちをした、でこぼこの宝石の花でした。
ゆきみは、みとれていました。(きれい・・・)
ちらかしベーダーは、とくいそうに言いました。
「キミの心の中のガラクタ山から、宝石を集めてきて、ボクが育てているんだ。まだ、こんなに小さくて、デコボコの花だけど、いつか、とてもきれいな、美しい花に育ててみせるよ。だって、キミの心の中には、キラキラ光る宝石がいっぱいあるんだもの。キミの集めたガラクタ山から、宝石をほりだすとき、ちょっとちらかしちゃうんだけれど・・。
でも、キミに、この花を見せたくてね。キミの心の奥にある、この宝石の花のこと、大人になっても、わすれないでね。きっと、きれいな花になるよ。それまで、ちょっとぐらい、ちらかしても、ゆるしてね。」
そう言って、ちらかしベーダーは、へへっと、笑いました。
ゆきみは、目をさましました。
あいかわらず、部屋は、きたなくちらかった、がらくたの山です。
(あーあ、しょうがないなぁ。)
ゆきみは、自分がだらしないってこと、十分わかっているのです。
ゆきみは、ゆっくりゆっくり、また、かたづけをはじめました。
(またすぐ、ちらかしちゃうと思うけど、ちらかしベーダーさんが、少しは宝石をほりだしやすいようにしてあげなきゃね。)
ゆきみは、夢のなかでみた、花のことを考えていました。
(私の心の中に、あんなにきれいな宝石の花が咲いているなんて・・)
そう考えると、ゆきみは、ちょっぴりうれしくなるのでした。』
さて、ウチの子供たちの「宝石」はなんだったかというと、
道端でひろってきたコンクリの塊みたいな石。
それから、どっかの錠前にとりつけてあったような古風なカギ。
とか。
なるほど中3や小6になっても ポケットに意味不なものが入っているんだと、
「ほら」と大切そうに拾ってくるんだと、
かろうじてうれしさと悲しさと ほとんど驚きあきれましたが^^、
みの虫さんの お話を読んで以後は、、、
それらが どの角度からみても宝石に見えてしかたありません!!!
のとさんは、そろばん塾の先生なんですが、
他にも素敵なお話をつくられてるんですよ♪
例えば、不要紙を再利用した
部数限定のおはなし「たからばこ」とか。。。❤
| コメント (2) | トラックバック (0)
最近のコメント