ビワ染め(草木染)の手順
ほんとうにズボラで大雑把な 独学の染色方法なので、決しておすすめできませんが、
どうやって染めるのかと、聞いて下さる方もいらっしゃるので、
今回、その手順を 写真におさめて、大体の流れを記録してみました。
何の植物で何を染めるにしても ほとんどこれと同じ方法をとっています。
一年がたち、すっかり色あせたものは、また同じ方法で、染められます。
4~5年たったころ、ようやく面倒な手順にも 慣れてきて、
炊飯器でご飯を炊くくらいの気持ちで、気軽に染められるようになります^^。
もし、草木染初体験をしてみたくなったら、
ぜひ大きな薄~~~い木綿の布を 窓枠の大きさに切って染めてみてくださいね。
それが風にゆれて そよぐたびに、
たった一枚の布から
心がしんとして湧き立つような幸せが広がっていきます♪
ビワ葉の全体量です。
ビワは、10年くらい前、子供たちが、食べて口から出してポイッとなげた種が
今年4mほどに成長し、初めて実をつけたものです。
お鍋は、台所用品のディスカウントショップで カーテンの染色用に購入した大鍋です^^。
大鍋がなかったときは、古くなった蒸し器のお鍋を使っていました。
ザク切りにして、水を入れています。
葉がたくさんあったので、たっぷり入れました。
フタをして、火にかけます。
沸騰したら、弱火にして、15~20分ほど、ぐつぐつしています。
熱いですが、すぐに、葉をこします。
ずっと葉を入れたままにしておくと、染液が 葉に戻ってしまうと
以前、どこかに書いてありました。
こした染液を 大鍋にもどします。
この液をお風呂に入れれば、ビワ湯ですね^^。
こした葉は、土に還します。
⑥あれば媒染剤をいれる(同時媒染方式)。
(後から実験して気づいたのですが、
ビワ染めは、媒染剤をいれなくても 濃く染まりました。
むしろ、我が家の灰汁媒染だと、入れない方が濃くなりました^^。
さらに、呉汁染めをしない布まで それなりに染まります!)
媒染剤の灰汁(サザンカとツバキの できれば夏の葉(アルミニウムを多く含む)を 燃やして、その熱い白い灰へ水をいれて、かきまぜ、一晩おいた、その上澄み液)を大きなコップ1杯ほど入れました。
これは、2007年に作った灰汁です。
どこかには、毎年つくるように書いてありましたが、
ウチでは、6年間使っていることになります。
一体、ほんとうに媒染剤の役目をはたしているのかと心配になります^^。
なくても染まるといいますから、媒染剤がないときは、そのまま染めてみてくださいね。
ちなみに、
市販のみょうばんの媒染で染めたときは、より黄色に染まり、
10円玉の銅媒染で染めた時は、より茶色に染まります。
(媒染剤とは、色素と繊維をむすびつける役目をする金属物質。色止め効果。発色効果。)
ちなみに、布と染液と 媒染剤を 同時に入れる染め方を 同時媒染というそうです。
先媒染や 後媒染をする人が多いので、
この同時媒染は、おすすめしていいのか、自信がありません^^。
布は、呉汁染め(大豆のタンパク質をつけること)をして、ワゴムで 所々しばってあります(絞り染めです)。
この呉汁染めは、綿の場合、するのと しないのとでは、染まり具合に大きな差が出ます。
ちなみに、サクラ染めや ビワ染めの場合は、
色素が強烈なので、呉汁染めをしないほうが、明るい色に染まります、
手間を省きたい人にとっては、願ってもない貴重な植物です^^!
ということで、初心者の方に まずおすすめです♪
呉汁染めとは、呉汁(一晩、水につけておいた大豆半カップを 1リットルの水で ミキサーに2回に分けてかけ、
さらしでこして、絞った汁)に400gの布をつけて、5分ほど もんで、日干しにする下地染めのことです。
この呉汁染めをした布は、タンパク質がついたことにより、染まりやすくなります。
シルクや羊毛は、動物性たんぱく質を元々もっているので、呉汁染めの必要がありません。
そのため、汗のついた着古した下着などは、呉汁染めをしなくても よく染まったりします。
沸騰したら、弱火にして15~20分、ぐつぐつします。
実際は、沸騰させないで、中火や弱火で、なんとなくグツグツして、
もーいいかな~と、火を消しています。
インドでは、弱火で、一日中、布をぐつぐつしていると、読んだことがあります。
熱い染液に、布をひたすだけでも染まりますが、
火にかけると、同じ時間ひたしたものよりも、濃く染まりました。
ただ浸すだけでなく、煮染めすると、染着力(染まる力)が高まるようです。
⑨火を消す。
この熱い液が冷めていく過程で、
染まっていくそうです。
色に、まだ桃色は出ていません。
次の日の朝、こんな色になっていました。
今年は、サーモン(オレンジ系)色が強いです。
サクラ染めも そうでした。
そこで、もういちど火にかけました。
時間は、前といっしょ。
また次の日の朝です。
ピンク色が出ていたので、
火にかけるのは、ここで終了とします。
もっと濃い色にしたいときは、
また火にかけて、
同じ作業を繰り返します。
いいか悪いかわかりませんが、
染め液は、いつもカラカラに乾いている土の道に、
ザ――――ッと流しています。
絞りをとらずに、そのまま乾かすと、
ちりめんのような縮みが そのまま残り、しわしわ感がでて、とてもキュートです^^。
(ただ綿のうすーい布に、オーッガニックコットンがないのは 残念ですが・・・)
写真は、呉汁染めをしていない綿の布を
サクラの生の枝葉(乾燥でもOK)で、
染めたもの。
サクラは、ビワより茶味が出ますが、同じく桃色系です。
光に透けると、とてもきれい^^。
コメント
フレーム織り機発注させていただいた者です。
私も同時媒染します。何せ作業場は台所なんで、能率いいです。
染め材も不織布の三角コーナー袋にいれて漉す手間省いてます。
羊毛なので、なせる技ですが(^^;;
本格的な染色からいえば邪道かもしれません。
染料をレモンの酸と石灰などのアルカリ性で反応させながら染める発酵染めという古代染めもたまにしてます。染め上がるまでに二週間くらいかかりますがほぼ放ったらかしでいいので好きです。たまにガス抜きしますが。
今は、じっくり創作する時間ないのですが(^^;;
投稿: ひがな羊毛 | 2015年2月 2日 (月) 21時44分