柿採り~竹ばさみ(つっぱさみ、もじき)
その頃わたしは20代で、
柿が好きではなかったのですが、
それはうれしそうに
「うれしいだろ」
と言わんばかりに
得意げに採ってくれるのです。
背の高い高い柿の木で、
見上げるばかり。
下枝もないような柿の木に
どうやってだったか、
父はするすると上り、
今みたいな高枝切りバサミではなく、
竹の棒の先に
切り込みを入れたものを
枝切りにして
柿の実をとるのです。
「あー、父はこんなことも できるのか!」
と、衝撃を受けました。
竹の棒いっぽんのみで、
猿しか取れないような
枝先の手の届きようもない柿を
目の前で、
次々に採っていくので、
とつじょ、
「柿とってくれても、ちっともうれしくないな」が
「わたしもやってみたいっ!」に変わり、
「竹の棒一本で なんでもできるんだっ!」に
変わったのです。
少年の嬉々とした表情とともに、
その後、
この柿採り~竹ばさみは、
わたしの脳裏に心に焼きつくことになります^^
(その時、父は60歳くらいだった、はず・・)
そうして、
確か、こんなんだったかしら?
と思い出しながら作ったのが
上の写真。
(7年後に作った下の写真の方が使いやすい^^;)
早速
こどもたちにも使ってもらいました。
枝がシャキっとしていないで
フニフニしていると
そもそも枝を挟めない^^
が、
なんとか収穫して
しょい籠で背負って
お山を後にしたのでした♪
これまた
「変容は思いがけないところから」(竹の棒いっぽん)
<ベー助談>
「これは、かなり工夫された道具だな~と思ったよ」
柿の枝は、ポキンと折れる特徴をもってる。
普通は、しなっちゃって折れない。
柿のトクチョーを よくとらえた道具だね。
柿は、枝を折って収穫することで、木の剪定を兼ねている。
枝を折って採ると、良くないようだが、
(皮や枝がさけずポキンと折れるので)
決して悪いことではない。
そうして これがスゴイのは、
採った実が下に落ちないってこと。
木の実採りも、いつも便利な高枝きりで切ってしまうけど、
昔の道具を使ってみると、
あーそうだった、柿の枝の感触はこうだったっ!
と、あらためて、柿の枝は折れやすいと、
木の特徴まで指先に伝わってきたよ。
柿は折れやすいから木登りはしない、なんて言ってたしね。
<7年後の秋>
ノコギリしかなかったので
節の際を上下、それぞれ少し切り、
手でバキッとはずしただけ。
(ナタがあれば、
左右から切り落として、
先の尖がった形もできる)
柿の木に立てかけておく
食べたい時にのばす
つかんだ!
じゅうぶん高性能
これを捻じればポキッと折れる、
枝で引っかかり柿は落ちない。
キイウイも採れた
しかしキイウイは実が落ちてくるのを
キャッチしないといけない^^
埼玉では つっぱさみ、
熊本では もじき
と言うとらしい。
<さらにおまけ2022.9.28>
おみごと!
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