「希望の牧場」岩崎書店
実話です。
【福島県双葉郡浪江町には、
原発事故によって設定された旧警戒区域(原発から20km圏内)に
取り残された牛を生かし続ける牧場がある。】
子供が高3や中3になってしまうと、
夜の朗読にも付き合ってくれなくなりますが
たまたま読んだ、この絵本、
味のある牛飼いオジサンの文と絵が
・・・いい。
ので、すんなり図書館に返してしまうことができず、
風呂上りの息子をねらって読み始めたら、
絶対に顔をあげないタブレットにくぎ付け中の娘までも
ときおり顔をあげ、
絵本の一語一句に聞き入った、
久しぶりの一夜となりました。
さらに、
これまた、たまたま傍らにあった
「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」
矢部宏治(集英社インターナショナル)
この54ページと
62ページと
97ページを
それぞれ1~2ページづつ読みました。
偶然の流れでしたが、
読み終えると
「なるほど」とうなづいてくれた息子がおりました(涙)。
以前に、
「本当は憲法より大切な『日米地位協定入門』」[創元社)を読みましたが、
これも 重い内容なのに、 読みやすくて、わかりやすくて、
笑わせてくれる箇所まであり、
今まで全くわからなかった政治の話が、
どんな小説よりも おもしろく深く豊かに伝わってきましたが、
この本も実にわかりやすい。
下記にちょっとだけ引用させてもらいます。
ほんとは中略のところが
一番、裏話が含まれている肝心なところなのだけど、
真髄のところをほんの少しだけ。
題して、
【~政治に全く関心のない中高生の子どもへ伝える~絵本と本】
①希望の牧場
②日本はなぜ基地と原発をとめれれないのか(54・62・97ページ)
15分プログラムですかね^^
う~ん憲法カフエで、
今の憲法のこと、
生まれて初めて、
いろいろベンキョーしたけど、
えええええ~~~ッ! そんなぁ!
憲法に それより上の上位法があるとは・・・
知らんかった。
みんな知っていたのかしら?
少なくとも沖縄の人は、
体で知っていたんですね。
とにかくこれでは、
日本の政治は、(日本みずから発注の)アメリカ台本の茶番劇ということですね。
生きるも死ぬも 英語で書かれた台本通り。
死ぬ前に、
自分が大ばかだって気づけて良かった?
いやしかし芸術家でも音楽家でも政治家でも法律家でもない
朝寝坊でナマケモノで、
けど本はちょっとだけなら読める、
フツ~な主婦が、
家庭にいながらでも出来ることはあるかしら?
子供たちに「憲法の上位法」があることを伝えることかな?
うっすら伝わったかな?
※「基地」の上位法→「日米地位協定」
※「原発」の上位法→「日米原子力協定」
日本人の憲法に保障されている基本的人権は
すべてこの上位法にて つぶされてしまう・・・・・
日本人の人権は、
アメリカのコウモリ以下だなんて!!!!!!!!!!!!
※「茶番狂言」では、オチに使われたものをお客にお土産で配ったため、
それを目当てにして来る客もいた。
【日米協定~狂言茶番劇】のオチは、「お金」ですかね。
●54ページ
原発事故が起きてから、
私たち日本人はずっと大きな混乱のなかにいます。
情報が錯綜するなか、
東北や関東に住む多くの人々が
「すべてを捨てて安全な場所へ逃げたほうがいいのか」
「いまの場所にとどまって、生活の再建を優先したほうがいいのか」
そうした究極の選択を迫られることになったのです。
中略
そんななか、少し事態が落ち着いてくると、
被災者たちは信じられない出来事に次々と直面することになったのです。
なかでも、もっともおかしかったのは、これほどの歴史的大事故を起こし、
無数の人人の家や田畑を奪っておきながら、
その責任を問われた人物がひとりもいなかったということでした。
中略
それなのになぜ、
この大惨事の加害者は罰せられないのか。
警察はなぜ、
東京電力へ捜査に入らないのか。
安全対策に不備があったかどうか、なぜ検証しないのか、
家や田畑を失った被害者に、
なぜ正当な補償がおこなわれないのか。
●62ページ
福島原発事故という巨大な出来事の全貌があきらかになるには、
まだまだ長い時間が必要です。
中略
主犯は、いったいだれなのか。
みずからの間違いを認め、
政策転換をする勇気のない日本の官僚組織なのか。
原発利権をあきらめきれない自民党の政治家なのか。
同じ自民党のなかでも、核武装の夢を見つづけている右派のグループなのか。
それとも電力会社に巨額の融資をしてしまっている銀行なのか。
国際原子力村とよばれるエネルギー産業や
その背後にいる国際資本なのか。
その意向を受けたアメリカ政府なのか。
中略
より重要な問題は
「動かそうととする勢力」ではなく、
「止めるためのシステム」のほうにあります。
福島の事故を見て、ドイツやイタリアは脱原発を決めた。
台湾でも市民のデモによって、
新規の原発(台湾電力・第四原子力発電所)が建設中止に追い込まれた。
事故の当事国である日本でも、
もちろん圧倒的多数の国民が原発廃止を望んでいる。
すべての原発が停止した2014年夏、電力供給のピーク時に
電力はじゅうぶん余裕があり、
原発を全廃しても日本経済に影響がないことはすでに証明されている。
それなのに、日本はなぜ原発を止められないのか。
(脱原発「賛成」77%、原発再稼働「反対」59%
「朝日新聞」世論調査2014.3.15~3.16)
●97ページ
事実、野田内閣は2012年9月、
「2030年代に原発稼働ゼロ」をめざすエネルギー戦略をまとめ、
閣議決定をしようとしました。
(中略)
外務省の藤崎一郎駐米大使が、
アメリカのエネルギー省のポネマン副長官と9月5日に、
国家安全保障会議のフロマン補佐官と翌6日に 面会し、
政府の方針を説明したところ、
「強い懸念」を表明され、その結果、
閣議決定を見送らざるをえなくなってしまったのです(9月19日)
これは鳩山内閣における
辺野古への米軍基地「移設」問題とまったく同じ構造です。
このとき、もし野田首相が、鳩山首相が辺野古の問題でがんばったように、
「いや、政治生命をかけて2030年代の稼働ゼロを閣議決定します」
と主張したら、
すぐに「アメリカの意向をバックにした日本の官僚たち」によって、
政権の座から引きずりおろされたことでしょう。
いくら日本の国民や、国民の選んだ首相が「原発を止める」という決断をしても、
外務官僚とアメリカ政府高官が話をして、
「無理です」という結論が出れば撤回せざるをえない。
たった二日間(2012.9.5~6)の「儀式」によって、
アッというまに首相の決断がくつがえされてしまう。
「日米原子力協定」という「日本国憲法の上位法」(憲法より上の意味)にもとづき、
日本政府の行動を許可する権限をもっているのは、
アメリカ政府と外務省だからです。
本書の冒頭で、
原発を「動かそうとする」主犯さがしはしないと書きましたが、
「止められない」ほうの主犯は、あきらかにこの法的構造にあります。
※(中略)
9月12日、
野田首相の代理として訪米した大串博志・内閣府大臣政務官(衆議院議員)たちが
同じくポネマン副長官と面会しましたが、
「2030年代の原発稼働ゼロ」政策への理解は、
やはりまったく得られず、
逆に非常に危険な「プルサーマル発電の再開」を
国民の知らない「密約」として結ばされる結果となりました。
(毎日新聞2013.6..25)
※プルサーマルとは、ウランにプルトニウムをまぜた「MOX燃料」を使う
非常に危険な発電方式です。
今後、2012年9月に結ばれたこの「対米密約」にしたがって、
泊(北海道電力)、川内、玄海(九州電力)、伊方(四国電力)、
高浜(関西電力)などで、
危険なプルサーマル型の原発が次々に再稼働されていくおそれが高まっています。
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