草地の文化
今年9月、荒川沿いの幼稚園へ【自然あそび】の出前で行ったとき、
素晴らしかったのは、
荒川土手横の園舎の立地を活かして
園長先生が斜面の土手の草地を
こどもたちのために残されていたことです。
草と人とのかかわり、
草地の文化ですね。
森の文化は認められ、
木は大切にされ植樹されることはあっても
草は抜かれてしまうことが多い。
今、草地、原っぱ、草原は都会地では大変少なくなってきています。
しかし草地で育つ昆虫たちは、
植物と動物をつなげる大変貴重な働きをしています。
虫たちは、植物の命をとりこみ、さらに小動物に食べられることによって、
植物界と動物界をつないでいます。
そうした多様な生きものを育む大地からの芽吹きの場所,
はじまりの場所が草地です。
その草地を残すことは
子どもたちにいのちの多様性のつながりを残すことであり、
それを実際に体と心で感じる体験の場所でもあります。
まさに、草地は子供たちの命と感性を育む場所です。
かつてある小学校の校長先生が
校庭の一角にわざと草を伸ばして
子どもたちのために残していらっしゃいましたが、
今回もそんな貴重な園に出会えて大変感動した一日でした。
子どもたちは、コンクリートジャングルの駅周辺に暮らしていますが、
草地慣れしていて、
本当にバッタのように元気でした^^♪
PS<自然保護の観点からいうと>
自然体験を行う場合、
馴染みのある生物も外来種(植物でも動物でも)であることが多いので、
体験と繁殖を分けて捉える必要があります。
触れあって遊ぶことと、
意図的に増やすことや放流することを混同してしまうと、
「ホタルの放流」であっても、せっかくの地域種の生態系を崩してしまうことになり、
自然体験が、自然破壊につながることもあります。
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