畑の神さま
夜中、コケーッ、バタバタバタッとただならぬ声、、、
チャボのチャチャが息をひきとりました。
初めて人間になついた
やさしいコッコちゃんでした。
おそらくイヌでもネコでもない森の動物に襲われたのでしょう。
慌てて外に出ると、
すでに重傷を負っており、
ばたばたと もがいていました。
出てきた娘がそれを見て「ああ、、」と悲しみの声をあげたので
傷にふれてしまうのが怖かったのですが、
ふいに「ゆまにちゅーど」と心が言うので、
両手で包むと
苦しんでいたのがウソのように
すっと目をとじて亡くなりました。
もう一羽の若いコッコちゃんも見つかりません。
おそらく獣に食べられたのでしょう。
いったい誰に襲われたのだろうと
「教えてね」
と猫のニャンにお願いしたら、
二日後の夜、
にゃお~~~~しゃお~~~
と怖れと威嚇の混じったような初めて聞く鳴き声とともに
ニャンがその存在を教えてくれました。
急いで出ていくと、
見たこともないような立派なタヌキが居ました。
疥癬にかかっておらず、
頭から尻尾の先までふさふさの見事なタヌキでした。
数日前からカラスが不穏な鳴き声で泣き続けていて、
何かを教えてくれているとは思っていましたが、
もしかしたらカラスも
この新顔のタヌキの存在を教えてくれていたのかもしれません。
このタヌキが襲ったのでしょうか?
すべてにおいて
真相はナゾのままでありますが、
道路拡張で空き地はどんどん減って
タヌキも追われて、街中をうろうろしているのかもしれません。
産んでくれた卵を子供たちに渡し損ねたまま、
コッコちゃんたちが亡くなってしまいました。
せっかく産んでくれたのに、
守ってあげることもできませんでした。
ただチャチャの安らかなお顔が救いです。
畑の神さまになりました。
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