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2019年7月25日 (木)

巨樹めぐり⑤ 楠

もう4年前になってしまった巨樹めぐりの続き。

今回はクスノキ。

久しぶりに近くの鳩ヶ谷神社です。

夏越の祓(梅雨時の疫病などを祓う行事)の折の

茅の輪くぐりの 大きなススキの輪を見たくなりました。

しかし、もう終わって何日も経っていたので

なんにもなく、

しかたなく境内をめぐっていたら

Img_7673

びっくり!

こんな立派なクスノキがありました。

御神木の 夫婦楠でした。

クスノキは、

九州ではメジャーな存在で、

この辺り(埼玉)のケヤキに匹敵します。

 

古くは史前帰化植物らしく南国から来た陽樹、

熊本や鹿児島などでは県木ですから、

子供の頃から 「木といえば楠」

 

まわりの中低木を包み込むような こんもりとした樹形、

堅そうなのに抱きつくたくなる 赤茶色のザラザラゴツゴツの樹皮、

何があっても嘘はつかないような 大木の威風堂々の枝ぶり、

人間でたとえるなら西郷隆盛とか、、

 Img_7674

にしても、クスの大木の樹皮って

こんなにきめ細かく切り立った

タワシで磨き上げられたような山脈系樹皮だったっけ?

とつぜん出会ってしまったので、

思わず息をのみ、拝んで、

そっと触れさせてもらいました。

居住まいを正したくなるようなスッとした双樹でした。

近くの小学校や神社にも

樹齢100年を超えるような楠の大木がありますから、

またもう一度見てみようと思います。

Img_7767

我が家にも垣根の中にクスノキがありました。

鳥がその秋の黒紫色の実をたべて

糞として落としていったものが

芽を出したのでしょう。

鳥による種子散布の木ですね。

葉を軒下に干して数日後、

Img_7768

雨の多い梅雨の最中でしたが、

なんとか乾き、カットして、

Img_7895

煎じました。

沸騰して弱火で15分ほど。

香りは初めはニッケイを弱くした感じと思っていましたが、

いえ、これはまさに樟脳。

じっさい枝葉を蒸留したものは樟脳ですから、

防虫や医薬効果があります。

薬草の本には

これをお風呂に入れてリウマチに効くとありました。

煎じた液を飲めばクスノキ茶です。

これは、どこかで味わった、そうたしか龍角散の味と余韻。

けれども龍角散の成分にクスノキはありませんでした、

白い粉のあれ、だったと思うのですが、、、

 

 

干して刻んだものを袋に入れて沸かし湯にしたものは

香りが弱かったのですが、

前もって鍋で煎じた液と 濾した葉を袋に入れた浴湯は、

確かに温まります。

湯全体の分子が茶色にあったまってるのに

ぬるっとした感じがなく

クスノキ科ニッケイ属らしい

爽やかな温かさです。

<おまけ>

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公園のクスノキ 満開の花、5月ころ

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一般的な公園の樹皮

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白い小さな6枚花弁の花 

名前をつけるなら

白い小さな妖精たちのおしゃべり

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三行脈の葉と黒紫の実。

まんなかの主脈の元の近くから側脈が出て

三本の行く脈。

葉は、つるっとしているのに皮質で

樹から受けるものとは違います。

内に秘めた冷静な薬効が涼し気に溢れだす印象です。

この三行脈の根元に一対の大小の穴があり、

各々別の種類ぼダニが居住していて、

彼らはクスノキに居候して楠の恩恵を受け、

楠を守ってもいる、らしい。

葉の裏に入り口があって、

虫メガネでそのダニまで見えました。

 

※巨樹巡り・・・ごくごく近所の巨樹をめぐる。

ロシアの即身仏のお墓~ドルメンに行きたかったのだが、

行けなかったので、それに匹敵するものとして、はじめる。

巨樹=賢者、土地の生命そのもの

※参考・・・「薬草」山と渓谷社

 

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