タイムカプセルと トビズムカデと お盆
今年の4月から
廃屋の片づけをしています。
この家で生まれたわけでも暮らしたわけでもないのに
築100年くらいの廃屋を
九州から関東まで来て、
せっせと片づけている縁が
なんとも人生の不思議を思わせます。
これこそ文字通り「嫁」なのかと思いました。
この家は義母が早くに亡くなったせいか
家の切り盛りをする役どころがポッカリ抜けて、
一世代分、時間が止まったように動かず、
誰かが微々でも動かなければ本当に前に進まなくなったのです。
縄文人のライフスタイルを好む私が
いい加減前へ進んでくれと尻をたたく家ですから、
よっぽどです、家ごとタイムカプセルです。
「一日3個」
と決めてゴミ袋を作っていたら
おじいさんがゴミの日にちゃんと出して協力してくれるので
楽しくなってきました。
「いちにち さんこ」
すっかり長期戦お片づけの魔法の呪文になりました。
そんな日々、
軒下を片付けていたら小さな木の箱があり、
中から至極丁寧な漢字練習帳が出てきました、
40年以上前小学生ベー助のノートで
本人もタイムカプセルみたいだと驚いていました。
私も漢字を書くのは嫌いではありませんでしたが、
更にその上をいく量と質です。
娘と息子には 両親のこうした資質はほぼ全く受け継がれませんでしたから、
才能自体がタイムカプセルに入ったままなのかもしれません^^;
またまたそんな日々、
鬱蒼とした植え込み間際のじめじめトレーの下に
12~3cmのトビズムカデが5~6匹いました。
5~6月の産卵期だったので
オスがメスに精包をプレゼントしていたのかもしれません。
メスはそれを受け取り、80個ほどの卵を宿し、
孵化し自立できるまで約2か月、
背中に抱えてカビないように舐めて育てるそうです。
つい先日
落ち葉の下にムカデの若虫がいました。
8月、避暑で休んでいたのでしょう。
そして9~10月、この若虫は大きく成長し、
冬に眠り、
3年で大人になるそうです。
寿命は5~7年といいますから
会いたくないけれど、また会えるでしょうか。
熊本の実家は、北側に森をまだ抱えていたころ、
2階の布団のなかへ 連夜ムカデが添い寝してきたことがありました。
布団のあるじの姉は、動じない人で、そのまま寝ていました。
翌朝、母が台所の下の扉からヒミツめいた暗いビンを出しました。
よく見るとアルコールにムカデが浸けてありました。
毒に効くから塗りなさい、
と言っていました。
ムカデのタイムカプセルでした。
ムカデは顎で咬んで毒を入れますが
今はポイズンリムーバーで
ハチでもムカデでも 対応できます。
1000円程度ですから、一家に一台、常備しましょう、
使用を適切に行えば効果てきめん威力絶大です。
ムカデはゴキブリやネズミも食べるようで
家に侵入しますが、
家と鬱蒼とした茂みが離れていれば ほぼ入ってこないようで、
ベー助のこの生家では一度も見なかったそうです。
今日からお盆です。仏さまを迎えにいきます。
お墓も魂のタイムカプセルに見えてきました。
コメント