絵~不可思議な能力
廃屋の片づけは時におもしろく
その廃品の数々は
そのまんま人生の足跡で
完全に忘れてしまっていたもの
消し去りたいくらい恥ずかしいものなど
自分なら振り返りつつもゴミ箱行きになるものがほとんどですが、
第三者の目からすると
パートナーの子ども時代の学習帳とか
木彫りの絵とか
選択科目の油絵なんかは
我が子のもののように驚きをもって懐かしく新鮮で
こんなものを創っていたのかと
本人ほど無造作に捨てられません。
そういった絵の一枚をこっそり持ち帰り、
気になっていた壁の穴ふさぎに取り付けました。
絵の壁と実際の壁のもようが心なしかつながっているように見え、
もうこれ以上ないくらいにハマりました。
視線や北風がふせげるうえに
まるでそこに本当にテーブルがあって
ワインが飲めるかのような錯覚感情を起こしてしまい、
ウキウキします。
これまでの裏暗い少し不気味な闇が、
一挙に一枚の絵の力で別の空間へと移行しました。
絵とは、
こういう不可思議な能力を秘めているのか~
底知れぬ恐怖を無限の安らぎにさえ変え得るのか~
と はじめて体感しました。
下も高校時代のベー助さんの油絵、、
絵と外界がまざり合い溶けあっています
調子にのって
これも
気になっていたボロボロの壁に取りつけました。
すると、
絵が描かれた40年前からの約束だったように
実際の置石の通路に続くような
灰色の道が絵の中につながりました。
おまけに木の家まで建っていました。
そう、こんな家に住みたい!
木や草に囲まれた ちょうどこんな家・・・‼
廃屋の片づけはまだまだ終わらず
この生き詰まった道で行き詰っていた気持ちが、
この絵によって少し風通しを良くしました。
もし絵描きになるなら
外のカベの穴ふさぎに掛けてもらえる絵をかきたいな~と思います
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