アウシュヴィッツ解放記念日
廃屋の整理でベー助さんの本棚から
「ガラスのうさぎ」(金の星社)を見つけて読みました。
子供のころ推薦図書で有名な本でしたが、
読んだことはありませんでした。
その頃、現実的な辛く悲しい話は決して読めませんでしたが、
物置にしているビニールハウスの途中に置いておき
通りがかったときに少しづつ
しゃがんで読みました。
高木敏子さんの子供のころの戦争体験です。
なぜか、この本と同時期に
部屋の中で寝る前に読んでいた本は
「流れる星は生きている」藤原てい著
これはどんどん壮絶な
母と幼子3人の中国引き揚げ脱出行なので
読みながら何度もあの世へ行きました。
登場するすべての女性と自分が重なるのですが
そのどれもに耐えきれませんから
あの世へ行ったつもりで読むしかありません。
わたしの母は中国から引き揚げるとき子供で、
恐かったと言っていました。
よく花札で遊んでくれた優しい祖母が
叔母たちに言わせると、
たいへん強い人だったという話しが、
この本を読んで ようやく腑に落ちてきました。
今ならわかる気がします。
その後すぐに、
何百人待ちの直木賞「宝島」が
ちょうど冬休みに届きました。
戦果アギヤーの話しで
沖縄の戦後の動乱の過酷な島全体の息遣いに
はじめて触れる思いでした。
それが今も続いて、、、、
そしてこの流れを止められなくなったのか
「アウシュヴィッツの図書係」を
先日1/27~1/28 読み終えました。
1945.1.27
ちょうどアウシュビッツ解放の記念日でした。
最後、実在の少女ディタが解放され、
一緒にアウシュヴィッツから解放された思いでした。
あとがきのフレディ・ヒルシュ(実在の人物)の記述に
最後の最後まで驚かされます。
少女の頃のディタ同様、
ネット情報で打ちひしがれていた希望の灯が
ふたたび灯りました。
「なぜ囚人たちは立ち上がらなかったのか」
以前、誰かが言っていた問いが
それぞれの歴史の中で
また違う重みで
響いてきました。
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