巨樹めぐり⑥ スダジイ
新年あけましておめでとうございます。
今年は庚子の子年です。
初詣は山登りに行きたかったのですが
ほぼ関東平野のど真ん中に住んでいるので
生活視界に山はありません。
九重(中岳1791m)とは言わないまでも
立田山(151.7m)くらいの
徒歩遠足向きな身近な山が欲しい、、
と思っていたら
思い出しました。
近所の「山」です!
32mといえど
家並みは眼下に広がり、
遠くに日光連山 赤城山や筑波山も見渡せます。
平将門の言い伝えもあります。
特に興味はなくとも
広がる大地~関東平野の武将だったんだと思います。
武家政権の祖と広大な平野は関連があるのでしょうか?
ふと見上げれば
樹齢500年以上といわれるスダジイが見下ろしていました。
スダジイは暖地性の極相林で
若目の木でもおジイさんの風格を備えています。
各地に長寿も多く残っているそうですが、
この木も500年というのですから相当なものです、
地域の財産です、
意図せず「巨樹めぐり」をしてしまいました。
材は硬いとありますが、
シイタケの原木だけあり
ボロボロと朽ち、
その懐には「うろ」を作りやすく、
アオダイショウが棲むこともあるとか・・
この木にはフクロウが棲んでいると言われています。
近場の森へ夜散歩に行くと
ゴロスケホーホーと鳴き声が聞こえ、
この木の方角へ飛んでいきました。
ごろすけほーほー ぼろきてほーほー
ごろ助奉公 ぼろ着て奉公
そうしてスダ爺は
ヘビやフクロウを宿したカンフーの達人のような風格でありながら
小さな子供たちにも優しくて
アク抜きなしで食べられる
ローフードナッツもくれるのです。
もちろん炒っても美味しく、
なんてお茶目で洒落た人なのかと思います。
常緑樹なので
冬は小鳥たちのネグラにもなり得ます。
また小さな虫たち
ハチやアブやハナムグリたちも
初夏の雄花のクリーム色の花粉を
御馳走してもらいにやって来ます。
公園にある木を遠くからみて
子どもが「ブロッコリーみたい」と言うように
こんもりとした樹形は愛らしくもあり
木の下にはいると
葉ウラのうぶ毛のような茶色と
葉オモテのクチクラな緑の
異色のファッションセンスが印象的です。
実際、八丈島の絹織物の黄八丈の黒は
スダジイの樹皮ですから、
伝統のお墨付きです。
この後、
神社で人生初のお祓いを受けました。
社殿や神主さんの烏帽子や祝詞を聞いていたら、
インドの仏閣を旅したときのような異国情緒が突如おそってきて
あ~、今、私は人生という旅をしているんだと
涙がぼろぼろこぼれてきました。
これも500年以上の時を生きるスダジイの包容力のせいかもしれません。
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