独り活きるウド
ウド(独活)
2週間前はよちよち歩きの赤ちゃん程の背丈でしたのに、
今日は小学生中高学年くらいに伸びていました。
冬に地上部は枯れますが、
今年は年々育つ株も威風堂々と見え、
下から立ち上がる茎の本数も増えました。
仲良し家族のように固まっていますが
1本の草姿はまっすぐ堂々と末広がりで
たとえ独りになっても活き活きと生きていけそうな安定感です。
新芽や若葉の天ぷらは
(展開した葉は刻んでかき揚げにしてもよく、
太い茎の皮をむいた部分も美味しい)
香りや歯ごたえが唯一無二すぎて
「こんなにウマいものはない」
と口に入れた瞬間に家人が唸っていましたが、
若葉を干して番茶ブレンドにして飲めば
パリパリと気持ちよく乾燥して
さりげなく美味しく、
立ち上がった2本のうちの1本を残して
もう1本の茎をいただき、
皮をむいて生食すれば
筍のようなエグミも
イタドリ系の酸っぱさも
セロリほどの筋もなく
でいてシャキシャキとした歯ごたえで、
夏ころに咲く散形花序の白い花も涼しく
この頃の茎葉を干してお風呂にいれると
鎮痛、補温、つまり肩こり腰痛冷え性に良しとされ、
素晴らしきウド。
では
ウドを「ウドの大木」といってしまった人間のほうが
ウドの大木なんではないか、
と思いますが、
ちょうど青々としたウドの足元に
昨年のウドが枯れ倒れていました。
大人の背丈ほどあり、
見れば茎の中味は見事に全身が中空のウロで、
スポンジ状のワタもなく空っぽで、
ウドの語源とされる「ウドロ、ウトロ(宇登呂)」でした、
昔はウツロ(空ろ)をウドロって言ってたんでしょうか。
大木として使おうとしたら
「なあんだ、中身がウドロじゃないか!」
って言ったかどうかは知りませんが、
確かに木として使いたいなら役に立たなかったことでしょう。
でもウドは木ではなく草(多年草)なので
ウドとしては
「そんなこと言われたってワタシ草だしっ」
って思ってるかも^^
(他の語源説もある)
しかし実はウドちゃん、
見た目とは裏腹にアクやエグ味はなく
なのに個性的は風味をもち、
天ぷらにも
生食サラダでも
お茶にも
お風呂にも
薬用でも
しかも漢字が独り活きるって!
山菜ウドパワーは果てしなく広がるのでした。
※ウド…セリ目ウコギ科タラノキ属
生息地 日本各地の山野に自生
生薬名 根茎を干して 和独活(わどっかつ)
効能 煎じて飲んで、
頭痛、神経痛、とにかく鎮痛、
風邪、めまい、
発汗や血液循環を促してくれるのですね
半日陰のお庭の隅っこに居て
しょぼんだときに励ましてくれそうです。
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